福知山線脱線事故について #3
 なんで今まで取り上げられなかったのか。
<ATS設置基準>国交省、JRに甘く旧型放置(5/15付毎日新聞)
 要は「大手私鉄には速度照査機能つきATSの設置を義務付けていたのに、国鉄に対する基準はなく、JR化後も見直されなかった」という内容。当サイトでは既にここで触れていますね。というかこんなの別に新事実でもなんでもなく関係者や鉄ヲタなら前から分かりきっていたこと。これは旧運輸省―国土交通省の責任問題にもつながる話で、天王寺車掌区の連中がボウリング大会後の二次会で何万円分飲んでたとかよりも、こっちのほうが重要ではないのか。
 ついでに言えば、今回の事故を機に国交省は速度照査機能付きATSの設置を義務付けるとか言っているが、それなら(すっかり忘れられているけど)3月に起きた土佐くろしお鉄道・宿毛駅での特急暴走事故のときに対策しておくべき。そのときに何らかの手を打っていれば、今回の事故は防げたかもしれない。

 こっちはけっこう注目すべき情報じゃないかと思う。
「制動数秒不能」運転士ら証言 脱線同型車両(5/14付神戸新聞)
 一部抜粋。「高速から減速した際、乗用車のエンジンブレーキに当たる「電力回生ブレーキ」が突然利かなくなり、圧縮空気を使いブレーキパッドで車輪を締め付ける「空気ブレーキ」への切り替えまでに、数秒間の「制動の空白」ができるという。」
 すでに報道されている「当該車両はブレーキが甘い」よりも踏み込んだ内容です。俺は「カーブ直前で、何らかの理由で回生ブレーキが失効したんじゃないのか?」と思っていたのですが、この内容が事実ならその可能性は高い。直前で数回もオーバーランが連続していたことを考えても、ただのヒューマンエラーだけとはあまり考えられない気がする。JR西日本のアーバン区間ってよく離線(パンタグラフが架線から離れること。回生ブレーキは離線すると作動しない)してた気がするし。

 と思っていろいろググっていたら、「営業電車の回生ブレーキ動作状況調査」という、鉄道総研の月例発表会講演要旨(pdf)を見つけた。これは回生ブレーキの可動率(指令値に対して実際どれだけのブレーキ力があったか)と信頼性を、JR西日本の新快速に無線LAN利用の測定器を積んで1年間調査した、という内容です。で、この報告書の「まとめ」には、「このシステムは既に、当発表で対象とした近郊電車以外に、当該JR会社の通勤電車にも搭載使用されている」とある。事故列車には搭載されていたのだろうか?もし積んでれば、回生ブレーキの使用状況が一発で分かることになる。まあ事故調は調べているでしょうけども。

 とにかく「責任者出て来い」「誰が悪い」だけじゃ、事故の再発は防げない。
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by amai_mikan | 2005-05-16 01:05 | 雑記
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